思考の癖も変わるーインナーチャイルドを自分で癒やす方法
「インナーチャイルド」という言葉を聞いたことがありますか?
もともとは心理学の用語ですが、最近ではストレスを抱えて疲れている大人への癒やしの方法としても注目されるようになっています。
ストレスや疲れを自覚していて、何とかしたいと思っている人は多いですが、いきなりカウンセリングを受けたりするのは、ちょっとハードルが高いのではないでしょうか。
そんな人におすすめしたいのが、セルフヒーリングの方法のひとつであるインナーチャイルドなのです。
目次
1. インナーチャイルド=内なる小さな存在
インナーチャイルドは「内なる子ども」、自分の内側にいる小さな存在のこと。
「本当の自分を象徴した子どものイメージ」と考えると良いでしょう。
自分の内側にいるはずのインナーチャイルドですが、普段はその存在を感じていない人がほとんどだと思います。
では、インナーチャイルドはどうすれば見つけられるのでしょう?
まずは「3歳ぐらいの子ども」をイメージしてください。
ここで思い浮かべる子どもは、男性なら男の子、女性なら女の子とは限りません。
日によって、逆の性のイメージが浮かぶこともあります。
また、自分とは似ても似つかない目や髪の色の子どもが浮かぶこともあるでしょう。
どんな子どもが思い浮かんでも問題ありません。
素直に浮かんだイメージを大切にしてください。
2. インナーチャイルドの表情でわかること
自分が思い浮かべた子どもは、どんな表情をしていたでしょうか?
この子どもの表情には、自分の感情面の状態が現れているとされています。
子どもが怒っている場合は、あなたには怒りが溜まっているかもしれません。
怒りたいのにがまんしていることはないですか?
子どもが涙を流している場合は、悲しみが溜まっているかもしれません。
泣きたいことがあったのに、泣くのをがまんしてきてはいませんか?
インナーチャイルドは、感情の貯蔵庫のようなもので、子どものころに抱いたさまざまな感情が溜められています。
その中には楽しい感情もあるのですが、傷ついたり、悲しんだり、がまんしたりといったマイナスの感情の方がより強く残ってしまいがちです。
インナーチャイルドが抱えているマイナスの感情を解放して、プラスの感情を出しやすくするには、インナーチャイルドの癒やしが有効なのです。
もしかしたら、子どものイメージが全然浮かばないこともあるかも知れません。その場合は、自分を大事にしてこなかったり、後回しにしてきたなどで、より深い感情面の問題がある可能性があります。
3. マイナスの行動や思考はインナーチャイルドが原因!?
インナーチャイルドには、心の傷になった幼少時の出来事そのものが残っているわけではありません。
そのとき抱いた感情だけが残っています。
例えば、
・人から見たらなんということもないのに、ものすごく悲しみを感じる出来事がある。
・特定の出来事に遭遇すると、必ずマイナスに捕らえてしまう。
・特定の出来事が起こると、いつも苦しくなるとわかっている行動をとってしまう。
こうしたことの背景に、インナーチャイルドが関係しているかも知れないのです。
子どものころに起きた出来事による心の傷がインナーチャイルドに残っていて、似たような出来事が起こったときや、そのときの感情を思い出すような状況に置かれたときに、当時の感情が呼び覚まされて、マイナスの行動パターンをおこしてしまうことがあるのです。
インナーチャイルドが抱えている感情を理解できるのは、自分の大人の意識、「インナーアダルト」です。
インナーアダルトとは、内なる大人のこと。
インナーアダルトが、インナーチャイルドに溜め込まれた感情と向き合うことで、マイナスの癖を変える糸口が見つかる可能性があります。
4. インナーチャイルドを癒やす方法
インナーチャイルドが癒やされると、過去の心の傷が癒やされます。
生きる喜びを感じられるようになったり、心が満たされて人間関係が改善したり、麻痺していた感情が戻って感情を自然に表現できるようになったりします。
また、次のような効果も期待できます。
・感性が豊かになって、インスピレーションがわきやすくなり、創造性が開花する。
・良く笑うようになったり、ユーモアでまわりにも笑いを提供するようになる。
・マイナス思考がプラス思考に変わる。
・夢を描けるようになる。
インナーチャイルドの癒やし方
①安全な場所で過去について、次のようなことを振り返る
・家族、特に両親について
・家族の中で自分が演じていた役割について
・今の人間関係で、家族の中で演じていた役割を演じようとしていないか
②目を閉じて、子どものころを思い出して、3歳ぐらいの子どもを思い浮かべる
子どもが楽しそうなら、今の自分も一緒に遊ぶ。
楽しそうでなければ、子どもの気持ちを聞く。
怒っているなら、怒りを発散させる。
泣きたいなら、トコトン泣かせてあげる。
③インナーチャイルドを癒やす
子どもの気持ちにより添った後、本当にしたかったことを聞き、今の自分が子どもの願いを叶える。
④お別れの挨拶をする
「会ってくれてありがとう」と感謝を伝え、再会を約束して子どもを抱きしめる。
ゆっくり深呼吸して、目を開ける。
インナーチャイルドと向き合うことは、過去のいろいろな出来事やそのときの感情と現在を結ぶプロセスになります。
「今」に繋がる過去の出来事や感情を自覚することで、同じ出来事が起きたとしても「今」はマイナスに考える必要がないことに気づくことができます。
もし、インナーチャイルドと向き合って、激しく落ち込んだり、過剰にハイになったりして、自分ひとりでは手に負えないと感じた場合には、カウンセリングを受けるなど、他の人の手を借りるようにしてください。
まとめ
自分の内側にいる小さな存在、それがインナーチャイルドです。
インナーチャイルドは子どものころに抱いたさまざまな感情が溜められた、いわば感情の貯蔵庫。
インナーチャイルドを癒やすことで、過去の心の傷が癒され、自分の感情を自然に表現できるようになったり、マイナス思考がプラス思考に変わったりします。
日頃からマイナスの思考や行動パターンが癖になっている人は、一度インナーチャイルドと向き合ってみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『インナーチャイルドの癒やし』
『直感を磨いて自分らしく幸せに生きる 命の力を取り戻す インナーチャイルドの癒やし方』