女性ホルモンのバランスを整えて美しくなる
女性が男性と異なる体をもつのは、女性ホルモンが影響しています。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンがあり、それぞれ働きが異なります。
女性が美しく健康に生きるためにどうしても必要なもの。それが女性ホルモンです。
ここでは、女性ホルモンが具体的にどんな働きをするのか、そのバランスが乱れるとどうなってしまうのか、そして乱れたバランスの整え方について説明していきましょう。
目次
1.女性ホルモンの具体的な働き
女性ホルモンは2種類あり、それぞれ次のような働きを持っています。
エストロゲン
・女性特有の丸みを体に与える
・子宮の調子を整える
・髪や肌を美しくする
・骨密度を保つ
・コレステロールを調節する
・代謝を促進させる
・精神を安定させる
・脳を活性化させて記憶力や集中力を与える
まとめると、エストロゲンには「女性の美と健康を守る」働きがあります。
プロゲステロン
・ 妊娠しやすい体をつくり、妊娠の継続を支える
・ 乳腺を発達させる
・ 基礎体温を上昇させる
・ 食欲を増やし、体をむくませる
まとめるとプロゲステロンは「情緒を不安定にさせる働き」があると言えます。
こう聞いてしまうと、「プロゲステロンなんていらない!」と思ってしまいますよね。
しかし、実は「女性の美と健康を守る」働きであるエストロゲンには、乳がんや子宮体がんのリスクを高める作用があるとされています。
プロゲステロンは、そんなエストロゲンの負の作用を抑制してくれるのです。
2.女性ホルモンと女性の体
女性は初潮を迎えてから、女性ホルモンの分泌がピークとなる20代後半から30代前半ごろの「性成熟期」から月経の周期が安定します。
女性ホルモンの分泌は、30代後半から少しずつ減り始め、40代に入ると急速に減少して、中年太りや肌にシミが目立つようになるのは、いわゆる「更年期」が始まって女性ホルモンが不足するからです。
これは「更年期障害」と呼ばれ、治療の対象となっているほど深刻です。
更年期は10年ほどつづき、閉経するとほとんど女性ホルモンが分泌しなくなってしまいます。
3.女性ホルモンはなぜ乱れるのか
「女性ホルモンを出しなさい」という指令を出しているのは、脳です。
そして、女性ホルモンのバランスが崩れる原因は、更年期と性成熟期で異なります。
性成熟期:【脳が】卵巣に対してうまく指令を出せなくなっているため。
更年期:【卵巣の機能が】低下して、脳の指令に応えられなくなるため。
性成熟期の女性の脳がうまく指令を出せなくなる最大の原因は、ストレスと言われています。
20~40代の女性の多くが、就職、結婚、出産、子育てといった人生のビックイベントが続くのですから、無理もありません。
4.女性ホルモンが乱れるとどうなるのか
女性ホルモンが乱れると、まず目につくのが肌トラブルです。
体内でコラーゲンがうまく生成できなくなったり、代謝が悪くなったりするためです。他にも、以下のような症状がみられます。
・髪がツヤとハリをなくす
・白髪や抜け毛が増える
・食欲が抑えられず太ってしまう
・コレステロールの数値が高くなる
・水分を蓄えすぎて体がむくむ
・頭痛や耳鳴りがする
・肩こりがひどい
・イライラや不安がおさまらない
・物忘れをしやすくなる
・集中力がなくなる
・膣の分泌液が減って性交痛を覚える
・便秘になる
月経前症候群(PMS)で上記の症状に悩まされる女性が多いのも、プロゲステロンの分泌量がエストロゲンより、女性ホルモンのバランスが乱れることが原因です。
5.女性ホルモンのバランスを整える方法
女性ホルモンのバランスを整えるには、生活習慣を見直す必要があります。
具体的には、次の(1)〜(4)を守ることができればベストです。
(1)食生活の見直し
・毎日規則正しく3度の食事をとる
・間食、とくに甘いものを控える
・野菜多めの体を冷やさないメニューを心がける
・夕食は眠る3時間前にすませる
(2)入浴でリラックス
・シャワーだけですませず湯船に10〜20分つかる
・お湯は38〜40度のぬるめにする
・眠る1〜2時間前に入浴する
・入浴前と入浴後に水を1杯飲む
(3)質のよい睡眠
・夜の12時までには就寝する。
・寝る1時間くらい前からパソコンやスマホを見ない
・真っ暗な部屋で眠る
・アルコールやコーヒーは寝る1時間前までに飲む
・起床後は朝日を浴びて体内時計のリセット
(4)適度な運動
・正しい姿勢をキープする
・毎日20〜30分以上歩くようにする
・週に2回筋トレをする
すべてをこなすのが難しい場合も、それぞれ1つずつでも実行するようにしてみましょう。
まとめ
女性ホルモンのバランスを整えるために意識することは、「癒し」と「温め」です。
「冷えは万病のもと」という言葉がある通り、ストレスだけでなく、実は冷えも女性ホルモンのバランスに悪影響を与えます。
ただし、あまりにもPMSの症状が重い場合は別の病気の可能性もありますので、婦人科あ専門医に診察してもらうことをおすすめします。
女性の体は非常に繊細です。
だからこそ、まずは自分で大切にしてあげるようにしましょう。
【参考資料】
関口由紀 監修『女性ホルモンの力でキレイをつくる本』(朝日新聞出版)
黒住紗織・佐田節子 著/日経ヘルス 編『わたしのカラダは、私が守る 女性ホルモンの教科書』(日経BPマーケティング)