ハチミツ以上の栄養価! ビーポーレンって?
ハチミツは、ビタミンやミネラル、さらに抗酸化物質が豊富で古くから人類に愛されてきた食品です。
あるときは栄養食品、またあるときは薬にもなるハチミツは、ポピュラーなスーパーフードのひとつといえます。
ハチミツに続くミツバチが作り出すスーパーフードとして、「ビー・ポーレン(花粉団子)」も脚光を浴びています。
ビー・ポーレンは一言でいうと、ミツバチが「食べるために集めた花粉」。
ミツバチが分泌する酵素によって分解され、発酵しています。
ビー・ポーレンは小さいけれど栄養が豊富な発酵食品なのです。
それでは、「新時代のスーパーフード」であるビー・ポーレンの魅力と利点、さらに食べる際の注意点などについて説明していきましょう。
目次
1.花粉自体がスーパーフード!
植物の花粉とは、動物にとっての卵のようなものにあたります。
そう、花粉は花の生命力そのものなのです。
実は、同じくミツバチ由来の栄養食品である「ローヤルゼリー」の材料も花粉です。
ビー・ポーレンには以下のような栄養が含まれており、非常に栄養豊富です。
・18種類のビタミン類(ビタミンA、C、E、葉酸など)
・22種類のアミノ酸
・消化を助ける酵素(アミラーゼ、カタラーゼ)
・フラボノイド類(ルチンなど)
フランスの研究者によると、働いている成人1人が1日に必要な必須アミノ酸とビタミンは、ビー・ポーレン32グラムでまかなえるとのこと。あまり激しい運動をしない人ならば、20グラムでまかなえるそうです。
ビー・ポーレンは大さじ1杯が約12グラムですから、ビー・ポーレンの栄養価がどれほど高いのかを物語っています。
古代エジプトの女王・クレオパトラも、よく食べていたという伝説があるほど、ビー・ポーレンは古くから貴重な食材でした。
2.ビーポーレンでおいしく花粉症対策
ビー・ポーレンを摂取する滋養強壮以外に、どんなメリットがあるのでしょうか。
主にこんな効果があるといわれています。
・アンチエイジング
・便秘解消
・貧血予防
・免疫力向上
さらに、ビー・ポーレンが注目される理由となったのが、花粉症や喘息を改善する抗アレルギー作用です。
花粉症の方にとっては、「花粉=体に悪い」というイメージが強いかもしれませんが、風媒のスギ花粉とは異なり、ミツバチが集める花粉とは種類が異なるため、体内でアレルギー反応をおこさないともいわれています。
実際、ビー・ポーレンを摂取することで花粉症がなおった、という報告もあるほどです。
3.ビー・ポーレンの食べ方・注意点
ビー・ポーレンを摂取する場合、どのような点に注意したらよいのでしょうか。
主に次の4点があります。
・ビー・ポーレンは熱に弱いので、非加熱の状態で食べる。
・蕎麦やリンゴなどの食物アレルギーを持っている場合は、ビー・ポーレンを購入する店にアレルゲンとなる食物の花粉が含まれていないか確認する。
・ハチに刺されたことがある人は医師に相談する。
・ハチミツと同じく、ボツリヌス菌の食中毒の危険があるため1歳以下はNG。
なお、食事で摂取する栄養のことを考慮すると、1日に食べるビー・ポーレンはティースプーン1杯程度でよいでしょう。
花粉の種類によって風味が微妙に異なりますので、そのまま単体で食べてしまっても大丈夫ですし、甘味料がわりにヨーグルトに混ぜたり、スムージーの具材にしたりしても美味しく食べることができます。
4.ビーポーレンの効果を引き出すコツ
ただし、花粉の小粒子はかたい殻に包まれて、その成分が中に閉じ込められています。
つまり、ビー・ポーレンの栄養をより効果的に摂取するためには、殻を破る必要があるのです。
すり鉢ですれば殻は壊れますが、ちょっと面倒ですよね。
そこでおすすめなのが、発酵の力で花粉の殻を開きやすくしてあげる方法です。
次のような方法があります。
(1)ヨーグルトに混ぜて15分ほど待つ
ヨーグルトの乳酸菌の力で花粉の殻が開きやすくなります。
このとき、ハチミツも一緒に加えるとより発酵が促されるのでおすすめです。
(2)ハチミツと一緒に練る
ビー・ポーレン2対ハチミツ1の割合で練り合わせ、約1週間、毎日少しずつかきまぜて発酵をさせ、ハチミツにビー・ポーレンの栄養を溶けこませます。
熟成期間を長くする場合は、ビー・ポーレンを多くしましょう。
花粉の種類によって味は微妙に異なりますが、熟成期間が長いほどまろやかになり、手間がかかる分、1日1さじほどで美容と健康に非常に威力を発揮してくれます。
まとめ
日本でビー・ポーレンが注目されるようになったのは最近のことですが、アメリカでは1990年代ごろに流行し、ポピュラーな健康食品となっています。
もし興味をもって試してみたい場合は、ハチミツ専門店や、健康食品のネットショップなどで取り扱いがあるか問い合わせてみてください。
なお、ビー・ポーレンと一緒にハチミツを摂取する場合、ハチミツに含まれる酵素は熱に弱いため、非加熱か低音加熱のものを選びましょう。
また、人工的に加糖されたハチミツは栄養価が低くカロリーが高くなるため、注意してハチミツ100パーセントのものを選ぶのがポイントです。
【参考資料】
木村幸子『毎日がしあわせになる はちみつ生活』(主婦の友社)
前田京子『はちみつ日和 花とミツバチと太陽がくれた薬』(マガジンハウス)
生活の木・小林理恵 監修『からだのなかから、きれいに、輝く スーパーフードの教科書』(マイナビ出版)