すてきな偶然 セレンディピティって?
「セレンディピティ(serendipity)」とは、予想外のものを発見したり、素敵な偶然に出会うこと。
また、何かを探しているときに、その探しているものとは別の「価値あるもの」を見つける能力のことを言います。
ここでは、ふとした偶然をきっかけに幸運を掴む能力「セレンディピティ」について詳しくご紹介していきます。
目次
1. セレンディピティの意味とは
1-1. イギリスのある童話にちなんで作られた言葉
1-2. セレンディピティの実例
1-3. 「セレンディピティ」の反対語「ゼンブラニティ」
1. セレンディピティの意味
セレンディピティ(serendipity)
セレンディピティは幸せを掴みとる「能力」のことで、その能力は向上させることができます。
セレンディピティを向上させて、行動を起こせば奇跡をも呼び込むことが可能となります。
1-1. イギリスのある童話にちなんで作られた言葉
「セレンディピティ」は、もともとイギリスの政治家・小説家であるホレス・ウォルポールによる造語です。
素敵な偶然に出会うこと、などを意味しますが、ある童話にちなんで作られたそうです。
その童話とは『セレンディップの3人の王子』。
「セレンディピティ」は、この主人公が偶然をきっかけとして、ひらめきを得る能力を持ったことに由来します。
1-2. セレンディピティの実例
セレンディピティの実例の代表として、3M社の「ポストイット」が有名です。
強力な接着剤を開発していた3M社の研究室で、出来上がったのは粘着性の非常に弱い接着剤。
使い道がないと思われましたが、ある研究員が、これで本のしおりを作れないかとひらめきました。
そして、見事、世に出たポストイットは、便利な付箋として世界に広まったのです。
その他にもこんなにたくさんの例があります。
・ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を発見
・アルキメデスはお風呂からあふれる水を見て、浮力の原理を発見
・ノ-ベルは漏れた液が土で固まるのを見て、ダイナマイト製造法を発見
・レントゲンは蛍光板の不思議な光に気がついて、X線を発見
1-3. 「セレンディピティ」の反対語「ゼンブラニティ」
「セレンディピティ」の反対語として「ゼンブラニティ」という言葉があります。
これはイギリスの作家であるウィリアム・ボイドが著書で使った造語で、セレンディピティが起こりそうもない冷たく不毛な島が「ゼンブラ」という名前だったことに由来しています。
「不毛な場所(ゼンブラニティ)に身を置いていては、セレンディピティは起こらない」のです。
2. 知っておきたいセレンディピティのポイント
2-1. まず「行動する」こと!
セレンディピティを味方につけて幸運を掴むためには、どうしたらよいのでしょう?
まずは、とにかくトライすることです。
当然のようですが、行動しなければ何も生まれることはありません。
「すてきな偶然」を起こすためにも、なにか行動を起こして現状を変えようとする考えが大切です。
そして行動を起こしたら、状況に応じて柔軟に変化していくことも重要です。
行動する前にじっくり時間をかけて考えを練るよりは、まずスピーディーに行動!そして、環境や状況を見て柔軟に対応する。
これがとても大切となります。
また、「変化」を常に楽しめる意識も大事です。
変化を、良い意味で楽観的に捉える思考を身につけましょう。
こういった行動パターンを身に付けることで、幸せを掴みとる「能力」がだんだん向上していきます。
2-2. 具体的にどんな行動を起こせばいいの?
セレンディピティを起こすためには、とにかく行動が大切だとお伝えしました。
では、具体的にどういった行動をとればいいのでしょうか?
普段の行動パターンとは別の行動をしてみる
人との出会いは、セレンディピティを誘発することが多いとされています。
「ふだんはぜったいに顔を出さないようなパーティに参加した結果、かけがえのないートナーと出会い、結婚した」
というようなエピソードを聞いたことがある人は多いのではないしょうか。
普段の行動パターンから外れたアクションをすることで、今までにない視野が開けるのは確かですよね。
新たなチャンスやユニークな発想のきっかけを得るためにも、積極的に出会いの場へ顔を出すことは効果的です。
チャンスを逃さない準備
いざチャンスが来た時に、すぐに行動をできるよう準備しておく、というのも大切です。
せっかく、これだ!と思える発想や相手に出会ったとしても、それを成果に結びつけられなければ意味がありません。
セレンディピティは、目的達成のためのツールのひとつです。
偶然性の高いものではありますが、目的意識を強く持っていれば、高い確率で運命的なチャンスをつかみ取ることができることでしょう。
自分がいるべき場所を見極める
これは積極的に出会いの場へ参加することとも似ていますが、もっと日常に近い場所のことを指します。
職場であったり住居であったり、自分の目的を達成するのにどういった場所が最適かを見極め、なるべくその環境に身を置くことを意識してみましょう。
環境が人を育てるというのは、いつの時代も変わらない事実です。
自分のアイデアを積極的に発信する
自分が持っているアイデアや、普段考えていることを積極的に周囲に発信するのも、セレンディピティを起こすのに有効です。
発信する方法は、なんでも構いません。ツイッターやフェイスブックなどのSNSを活用してもいいですし、ブログやホームページを公開するのもよいでしょう。もちろん、会った人に話す、ことだけでも。
自分から情報を発信し、何らかのアドバイスやレスポンスがあったら、そこにセレンディピティが隠れているかもしれません。
また、誰かに自分の考えを伝える過程で、まったく違うアイデアが出てくる可能性もあります。
決まりきった行動から脱出する
繰り返しには絶大な力があります。何か目的を達成するために、繰り返しの持つ力は偉大です。
しかし、ただ同じことを繰り返すだけでは意味がありません。
決まりきった行動を避けて、ときには全く新しい視点でものごとを捉え直すことも大切です。
3. シンクロニシティとの違いとは
シンクロニシティもセレンディピティも、似たような言葉に思えます。
しかし具体的な事例で比較してみれば、両者は明らかに違うことが分かるでしょう。
シンクロニシティでは、次のようなことが起こります。
・友人に電話しようかなと思っていたら、その友人から電話がかかってきた
一方、セレンディピティでは次のようなことが起こります。
・恋人が欲しいと思っていたときに、偶然誘われた普段は行かないようなイベントに思い切って参加したところ、生涯のパートナーとなる人と出会った
シンクロニシティは、本人の深層心理や潜在意識が出来事を引き寄せている面が強いとも言えます。
一方でセレンディピティは、本人が強く意識して、行動したときに起こることが多いのです。
強い目的意識を持っているからこそ、ふとしたチャンスやきっかけに気づく。
それがセレンディピティです。
まとめ
いかがでしたか?
「セレンディピティ(serendipity)」とは、予想外のものを発見したり、素敵な偶然に出会うという意味ですが、セレンディピティが起きやすいような行動をする、また、環境に身を置くことは、有効なことがお分かりになったのではないでしょうか。
あなたも素敵な偶然に出会うために、セレンディピティを意識した生活をおくってみてはいかがでしょうか。