免疫力を効果的に高めるシンプルな2つの方法
2020年4月現在、日本でも感染症リスクについて日々報道がされているなか、これをきっかけに、感染予防対策を強く意識し始めた方も多いのではないでしょうか?
手洗いうがいやマスクの着用などとともに、細菌やウイルスに感染しないためにできる対策が「免疫力を高めること」です。
こちらの記事では、免疫効果を高めるシンプルかつ代表的な方法をご紹介します。
目次
1. そもそも「免疫力」とは?
1-1. 免疫力が弱まるとどうなる?
2. 免疫力を高めるシンプルな2つの方法
2-1. 免疫力を高める方法その1「よく噛んで食べる」
2-1-1. 免疫力を高める最も効果的な方法は「腸を動かすこと」
2-1-2. 免疫力を高める食べ物、飲み物
2-1-3. 補助的に食べるならサプリメントもおすすめ
2-2. 免疫力を高める方法その2「よく動く」
1. そもそも「免疫力」とは?
免疫力と聞くと、なんとなく「病気から守ってくれるもの」というイメージがあるかと思います。
実際のところ、免疫力とはどういうものなのか?どういう働きをしてくれているのか?
今一度、簡単におさらいしましょう。
免疫力とは、外から体内に侵入した細菌やウイルス、また体内で発生したがん細胞などの働きを抑えたり退治することで、病気を未然に防いでくれる機能のこと。
今この瞬間吸っている空気にも、目に見えない細菌やウイルスがたくさんいますし、がん細胞も次々と発生し続けています。
そんな状況で、なぜ人間は病気にならないのか?
それは免疫力が、細菌やウイルスから24時間365日、常に体を守ってくれているからです。
1-1. 免疫力が弱まるとどうなる?
しかし、この免疫力は、いつも万全に働いてくれるわけではありません。
例えば、風邪をひいて免疫力を働かせるエネルギーが少なくなったり、歳をとり免疫力自体が弱まってしまうと、ウイルスやがん細胞に対処しきれなくなり、病気にかかりやすくなってしまうのです。
また免疫力が弱まると、病気のような明らかな異常だけでなく、
・肌が荒れやすくなる
・アレルギー症状を発症しやすくなる
・体が疲れやすくなる
といった身近な体調不良を引き起こしてしまうこともあります。
病気にかからないだけでなく、毎日元気でいられるためにも、免疫力を高めることはとても大切です。
免疫力の働き・大切さを知ったところで、いよいよ本題の「免疫力を高める方法」を解説します。
2. 免疫力を高めるシンプルな2つの方法
免疫力を高めるために、何か新しいことを始める必要はありません。
これまでの生活を少し健康志向にするだけで、免疫力はグッと高まります。
以下ではそのシンプルな方法を2つ、ご紹介します。
いつもより体調が良くなり、健康が長続きし、もっと健康に気を使うようになるという、生活習慣の良いサイクルを作り出すことができますよね。
2-1. 免疫力を高める方法 その①「よく噛んで食べる」
食育の必要性は現在、各方面で良く言われていることですが、「よく噛む」ということの効用については意外と知らない方が多いかもしれません。
現代人は戦前の日本人と比べて半分以下、弥生時代と比べると1/6程度まで噛む回数が減っていると言われています。
実は、良く噛まない(咀嚼が不十分)で食事を続けていると以下のようなデメリットがあります。
・消化不良
・免疫力の低下
・肥満、代謝低下
・口臭や虫歯
・顔のたるみやシワ
・ガンのリスク
「え?噛まないだけでこんなに…?」と思うかもしれませんが、実はこれが事実なのです。
良く噛むことの重要性は唾液にポイントがあります。
噛むことと唾液の分泌は密接にかかわっており、本来は咀嚼によって唾液は出やすくなりますが、噛まないこと(咀嚼不足)で、唾液は出にくくなってしまいます。
例えば、消化不良、口臭や虫歯については、唾液には洗浄作用や抗菌作用、緩衝作用(飲食によって酸性に傾いたpH【酸性度】を中性に戻す能力)がありますが、咀嚼不足によって唾液が減ることで、消化不良になり口臭が出やすくなったり、虫歯にかかりやすくなってしまいます。
また、顔のたるみやシワは、咀嚼筋が使われず筋力が低下することが影響を及ぼします。
筋力が低下するとさらに噛みにくくなり、ますます噛めなくなっていくという悪循環に陥いります。
そうして、噛まない方は、高齢になるにつれて、口元が弛緩して老人顔になってしまうのです。
逆に、よく噛む(咀嚼する)ことで得られるメリットは以下の通りです。
・消化と吸収
・免疫力の向上
・セロトニン(ハッピーホルモン)を増やす
・肥満予防、ダイエット効果
・美容効果
・ガン予防
・痴呆予防
先にお伝えしたとおり、咀嚼回数が増えると、消化に有効な酵素を含む唾液が出やすくなります。
肥満予防やダイエット効果というのは、唾液としっかり混ざった食べ物がた食事が胃を通過することで胃腸そのものの働きが活発になります。
また、噛むことでの満足感により、過食を防ぎ、肥満予防に繋がります。
食事量を減らす効果だけではなく、しっかり噛むという行為そのものがカロリーを消費し、脂肪の燃焼を促進するといったダイエット効果もあります。
また、唾液に含まれる酵素には食品の発がん性を抑える効果があり、ガン予防にもつながると注目されています。
腸内環境が整うことでアレルギー症状を抑える効果や、免疫力のアップも期待されます。
さらに、噛むことの作用で脳の血流が良くなり、海馬、前頭前野、連合野を噛むことで活性化することが明らかになっているため、認知症予防に繋がると言われているのです。
そして、口の周りの筋肉を使うことで、表情が豊かになります。
表情筋が鍛えられることで、シワやたるみ予防となるため、若々しい印象になります。
フェイスラインもすっきり引き締まって小顔効果が期待できます。
良く噛むだけでこれだけたくさんのメリットを享受できるのであれば、噛まないわけにはいきませんよね。
ちなみに良く噛むの回数の目安としては、一口30回を目安に噛むことが理想とされています。
唾液をしっかりと出すことがポイントになりますので、噛まなくても良い柔らかい食材(豆腐や汁物など)も意識して噛むようにするのがおすすめです。
2-1-1. 免疫力を高める最も効果的なのは「腸を動かすこと」
免疫力を高めるために最も重要なことは、腸の活性化です。
人間の腸には、免疫細胞の約6割がいると言われています。
・咀嚼不足・食べすぎなどで、腸に負担をかけていないか?
・規則正しい時間に食事をして、適度に腸を動かしているか?
・腸内の免疫細胞を活性化する食材を食べているか?
以上のことに気をつければ、体の6割の免疫細胞に活発に働いてもらうことができるのです。
ダイエットやアンチエイジングに「腸活」が勧められていますが、免疫力を高めるためにも腸活は欠かせません
免疫力UPのための具体的な腸活には、
・良く噛む(咀嚼)
・食べ物(食材)、飲み物
・食べ方
この3点を意識しましょう。
2-1-2. 免疫力を高める食べ物、飲み物
免疫細胞を活性化させるためには、腸内にいる「善玉菌」の数を増やすことが大切です。
善玉菌と聞いてまず思い浮かぶのは、ヨーグルトやヤクルトなどに含まれる「乳酸菌」ではないでしょうか。
乳酸菌は、それ自体が善玉菌であり、また他の善玉菌を活性化させる”えさ”にもなります。
つまり乳酸菌を多く含む食べ物や飲み物を摂取することで、免疫力を高丘的に高めることができるのです。
乳酸菌が多く含まれていて、毎日食べやすい食品といえば、
・ヨーグルトやチーズのような「乳製品」
・納豆や味噌のような「発酵食品」
以上の2種類が代表的です。
具体的な食材としては、納豆、キムチ、味噌、お酢、醤油、ヨーグルト、チーズ、日本酒などなどが挙げられます。
「レシピを考えるのが面倒くさい!」という方は、和食中心の食生活を心がけましょう。
定食に必ず付く、
・味噌汁
・納豆
・漬物
・調味料(醤油、お酢、味噌など)
上記の食材すべてに乳酸菌が含まれているため、あれこれレシピを考える必要はありません。
まずは、和食を意識して食べるだけでOKです。
レシピを考えなくても乳酸菌を摂取できて、自然と免疫力を高めることができます。
手軽に自宅で摂れる発酵食品としては、手作りのザワークラウトもおすすめです。
以下の記事でレシピや効能をご紹介していますのでよかったらこちらも読んでみてくださいね。
発酵食品で免疫アップ!ザワークラウトの簡単レシピ・アレンジメニュー
2-1-3. 補助的として利用するのであればサプリメントもおすすめ
今の時代は、乳酸菌飲料やタブレットといったサプリメントが多数開発されていて、薬局やネット通販で手軽に買うことができます。
乳酸菌系のサプリメントは、普段の食生活を健康的に心がけたうえで補助的に摂取するなら、免疫力をより効果的に高められるためおすすめです。
その反対に、サプリメントだけに頼り、暴飲暴食や偏食をするのはNG。
乳酸菌自体は摂取できたとしても、
・肌や筋肉など身体を作る「タンパク質」
・体の調子を整える「ビタミン」「ミネラル」
といった重要な栄養素が不足し、免疫細胞も活性化されず、結局は体調不良や病気にかかってしまいます。
乳酸菌を摂取すればすべての病気にかからない、というわけでは決してありません。
1日3食バランスの良い食生活を心がけたうえで、そこに乳酸菌をプラスする意識が大切です。
2-2. 免疫力を高める方法 その②「よく動く」
健康的な食事と同じくらい、免疫力の向上に効果的なのが「運動」です。
体を動かすことで、以下の通り、本当にたくさんの免疫力向上効果が期待できます。
・血流が良くなり、体の隅々まで栄養が行き届く
・腸が活発に動き、免疫細胞が活性化される
・代謝が良くなり、体内に溜まった細菌やウイルスが体外に排出されやすくなる
・脳からストレス解消ホルモンが分泌され、免疫細胞の抑制を防いでくれる
「現代人は病気やアレルギーにかかりやすくなった」と言われますが、この原因の1つが、昔と比べて運動をしなくなったため。
・デスクワークが増えた
・スマホ、ゲーム、映画など、運動以外の楽しみが増えた
・毎日の仕事や生活に余裕がなくなり、運動する時間も意欲も得にくくなった
こんな理由から、いつの間にか運動不足に陥ってしまっているのです。
そして、こうした人が意識して運動しようとすることも、大変な労力が必要です。
「できれば運動したいけど、ちゃんと運動するのはハードルが高い…」
という方は、以下のような、本当に簡単で単純なことから始めてみましょう。
・普段歩く時、いつもより大股で歩いてみる
・エスカレーターではなく、階段を使う
・車移動を、自転車や徒歩に切り替える
これまで市や町の健康診断などで散々言われていることかもしれませんが、この少しの気配りが、今、そして将来の健康に直結します。
何か新しいことを始める時は、ゼロからスタートするのではなく、いつもの習慣のなかに組み込むことで簡単に行動できるようになります。
普段の生活のなかで少しでも体が動く行動を意識するだけで、これまでより血行が良くなり筋力もつき、免疫細胞が活性化され、自然と病気や日々の体調不良を予防することができます。
まずは日常生活のなかでできる運動を、ひとつでも取り入れてみてください。
まとめ
免疫力を高める方法は数多くありますが、根本的には、
「健康的な生活習慣を心がける」
このことに尽きます。
人間が健康的に生きるために、食事と運動は欠かせません。
日々の生活でできる、マスクの着用、手洗い、うがいといった予防策はもちろんのこと、まずは基本的なことから始めて免疫力を高め、体の内側からウイルスや病気を撃退しましょう。