御朱印めぐりのマナーと楽しみ方

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寺社めぐりや旅行が趣味の人には、いまやすっかり定着した御朱印。
なかには記念スタンプを集めるような気持ちで収集している人もいるかもしれませんね。

しかし、御朱印は本来、神社やお寺に参拝したときにいただく寺社参拝の証であり、とってもありがたいもの。
いただくときにも作法があります。
寺院やお寺によって作法が異なる場合もあるので、事前に調べることが大切です。

作法を守って、御朱印めぐりを楽しみましょう。

 

目次

目次

 

1. 元々は写経を奉納した証だった御朱印

2. 御朱印の読み解き方

3. 基本の参拝の作法
3-1. 神社の場合
3-2. お寺の場合

4. 御朱印を授かるときに気をつけること
4-1. 御朱印の授かり方
4-2. 御朱印を授かるときのマナー

まとめ

 

1. 元々は写経を奉納した証だった御朱印

 

 

神社でいただくものと思っている人も多いかも知れませんが、実は元々はお寺で写経して奉納した証として授与されたものでした。
そのため、現在でも御朱印をいただく場所を「納経所」と呼ぶことがあるのです。

御朱印の歴史はとても古く、8世紀の律令時代(大化の改新後の奈良時代が最盛期)までさかのぼれます。
当初は写経を奉納した僧職に授与されていました。

江戸時代後期から明治時代になると、一般の人々が寺社を参拝したり、霊場巡りに出かけたりする機会が増えます。
その証として、参拝した人に御朱印が授与されるようになっていきました。

 

2. 御朱印の読み解き方

 

 

御朱印は神社でいただくものと、お寺でいただくもののふたつに分けられます。

 

神社の御朱印

 

 

中央に記されているのは、神社の社名かご祭神(祀っている神様)です。
真ん中には神社名かご祭神が刻まれた朱印が押されます。
朱印だけが押されている場合もあります。

その上に社紋が押されます。
これはご祭神に由来したデザインが多く、宮司さんの家紋が使われる場合もあります。

右側には一般に「参拝」の文字が書かれ、左側にお参りした年月日が記されます。

お寺の御朱印

 

 

中央に記されるのは、ご本尊の名前かご本尊を示す梵字、ご本尊を納めたお堂の名前です。
真ん中にはご本尊を表す梵字の入った印「御法印」や、「仏法僧宝」と刻まれた「三宝印」が押されます。

梵字は、古代インド仏教で使われたサンスクリット語(梵語)を表す文字のこと。
例えば、阿弥陀如来を表す「キリーク」、不動明王を表す「カンマン」などがあります。

右上には「参拝」あるいは「奉納」と書かれています。

左下にはお寺の名前(寺号)が書かれ、重ねるように山号(お寺の名前につける称号)を示す印が押されることが多く、霊場の札所の場合は札所の番号が記されます。

参拝した年月日は、空いているところに記されます。

なお、ご本尊を祀るお堂が複数あるお寺では、数種類の御朱印が用意されていることもあります。

 

3. 基本の参拝の作法

 

 

御朱印は記念スタンプとは異なります。
いきなり御朱印所へ行くのはNGです。
きちんと参拝してから授かりましょう。

 

3-1. 神社の場合

 

 

鳥居をくぐって一礼します。

境内に入ったら手水舎に向かいます。
まず手を水で清めて、口をすすぎましょう。
柄杓(ひしゃく)は右手で持ち、最初に左手を洗います。
次に左手に柄杓を移して右手を洗います。
ひしゃくの水を手にとって口をすすぎます。
最後にひしゃくに水を入れてから柄杓を立てて、柄もすすぎましょう。

拝殿又は本殿に進み、お賽銭箱にお賽銭を入れます。
鈴を鳴らして、二度深くお辞儀をして、神様にご挨拶とお願い事をします。
拍手を2回打ち、最後にもう一度、深くお辞儀をします。
これが「二拝二拍手一拝」といわれる参拝の基本ですが、神社によって作法が異なる場合があるので、事前に確認しましょう。

 

3-2. お寺の場合

 

 

表参道を通って山門へ行きます。
山門の前で一礼して門を通ります。

手水舎で神社と同じ手順で、手と口を清めます。

線香台(常香炉)がある場合は、仏様をもてなす役割を持つお線香を供えましょう。
お線香の代わりにろうそくを献灯する場合もあります。

本堂に進んで、お賽銭箱にお賽銭を入れます。
鐘(鰐口)がある場合は、鳴らしましょう。
静かに手を合わせて、仏様に向かって瞑想します。

 

4. 御朱印を授かるときに気をつけること

 

 

御朱印を授かるときには、気持ちよく書いていただきたいもの。
相手の事情などへの気遣いを忘れないようにしましょう。

 

4-1. 御朱印の授かり方

 

 

御朱印は社務所や拝観受付所、納経所、お守りの授与所などでいただくことができます。
複数の種類がある場合は、希望をはっきり伝えましょう。

御朱印帳に書いていただく場合は、書いてもらいたいページを開いて渡します。
書いていただいたら、お礼を言って、御朱印代を支払ってください。
奥で書いて手渡されたときは、自分の御朱印帳か、確認しましょう。

 

4-2. 御朱印を授かるときのマナー

 

 

書いているときには静かに待つ

御朱印について質問したいときでも、御朱印を書いている最中には話しかけてはいけません。
また、一緒に行った人と大きな声で話して待つのも避けてください。

 

忙しそうなときは遠慮する

住職と家族が管理しているようなお寺では、食事の時間帯やお寺の行事で忙しそうなときには御朱印をお願いするのは遠慮しましょう。

同じ御朱印を一人で何枚もいただこうとしない

御朱印は参拝の証なので、いただいた御朱印を他の人に渡すのは基本的にNGです。
御朱印は、1度の参拝でひとり一枚が原則。
ただし、別の日に参拝したときにもう一度、御朱印をいただくのはマナー違反ではありません。

寺社によっては、あらかじめ御朱印をしたためた紙を置いていることがあります。
こうした場合は、いただいた御朱印をスティックのりなどで御朱印帳に貼ります。

 

御朱印帳を持参する

紙に書いた御朱印をいただける場合もありますが、御朱印帳以外には書いていただけない寺社もあります。
そのため、御朱印帳は必ず持っていきましょう。

御朱印帳は、裏に透けなくて、墨や朱印が乾きやすい専用の和紙で作られています。
スタンプ帳やメモ帳で代用するのはNGです。

 

御朱印代は小銭で用意する

御朱印代は寺社によって異なりますが、300~500円のところが多いようです。
あらかじめ金額をチェックして、小銭を用意しておくと、お礼を言ってさっと支払えます。

 

御朱印をしていない寺社もあることを知っておく

御朱印をしていない寺社もあります。
基本的に浄土真宗の寺院では御朱印はされていませんが、参拝記念として御朱印に相当するものを提供されている場合があります。
また、他の寺社と並ぶのはよしとしない寺社もあります。

事前に調べておき、わからないことは社務所などで確認しましょう。

御朱印がいただけない場合は、無理を言わずにさっと引くのも大人のたしなみです。

 

まとめ

 

 

御朱印は本来、神社やお寺に参拝したときにいただく寺社参拝の証で、とてもありがたいもの。
御朱印をいただく際は参拝の作法を守り、忙しそうな遠慮するなどの気遣いを忘れないようにしましょう。
御朱印帳や御朱印代の用意も忘れずに。

 

【参考資料】
『はじめての御朱印帳』(宝島社)
いただいたコピー

 

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