美と健康をもたらす水分補給|デトックスウォーター
人間の体は、成人ですと60~65%の水分で構成されています。
それほど汗をかいていなくても、1日に1.5~2リットルの水分を摂取しなければなりません。
ただし、コーヒーや紅茶などカフェインが含まれる飲み物は、利尿作用があって飲んだ以上に体から水分が出てしまうため、摂取量には含まれません。
また、ジュース(スポーツドリンクも含む)は糖分が高いため、大量に摂取する水分には向いていません。
だからと言って、ただの水を毎日2リットル飲むのはなかなかきついものです。
そこでおすすめしたいのが、低カロリーでいろいろな風味を楽しむことができ、しかも美容と健康によいデトックスウォーター。
ここでは、デトックスウォーターとはどんな飲み物なのかをご紹介します。
【目次】
1. デトックスウォーターとは
デトックスウォーターとは、簡単に言うと「フルーツや野菜を漬けた水」のことです。
フルーツや野菜の味や香りが移り、栄養素も溶け出しているため、普通の水よりも飲みやすく美容と健康によい飲み物となっています。
もともと「フレーバーウォーター」と呼ばれていましたが、ただの水よりも排泄や発汗をサポートしてくれるため、最近はデトックスウォーターと呼ぶのが一般的です。
2.デトックスウォーターの作り方
デトックスウォーターはフルーツや野菜をカットして水に漬けるだけですが、衛生的においしいものにするためには、いくつかコツがあります。
【容器】
デトックスウォーターには保存料を入れません。
そのため、麦茶などを入れるピッチャーで作るよりも、密閉が可能なメイソンジャーのような広口のガラス瓶やマイボトルなどで作るほうが、衛生的で持ち運びに便利です。
【水】
水道水でも問題はありませんが、やはりミネラルウォーターを使ったほうが、フルーツや野菜の風味や味をよく味わうことができます。
ミネラル分が豊富な硬水を使ってしまうと、フルーツや野菜から栄養素が溶け出しにくくなります。
軟水を使うようにしましょう。
なお、漬けるフルーツや野菜はカットしているため水に浮かびやすくなりますので、材料を入れた容器にいっぱいの水を注ぐのではなく、材料の上に重石代わりの氷を上に載せると、よく漬かるうえにフルーツや野菜の鮮度をキープする助けとなります。
【時間】
保存料を入れていないので、必ず冷蔵庫で保存し、作ってから24時間以内に飲むようにしましょう。
また、フルーツや野菜を水に漬けておく時間ですが、だいたい2時間後から飲むことができますが、6~12時間置いたほうが味や風味をしっかり楽しめます。
【素材の準備】
フルーツや野菜は皮の部分に栄養が詰まっているため、皮ごと使えるように、使用するフルーツや野菜はオーガニックのものがベスト。
しかし、すべてオーガニックで揃えるのは経済的に大変です。
とくに輸入品は残留農薬だけではなく、防カビ剤や防虫剤、いわゆる「ポストハーベスト農薬」も気になりますので、少々もったいなくても、皮を剥いて果実部分のみを使用するようにしましょう。
国産の場合は、大きめのボウルに水を張り、小さじ1ほどの食品用重曹をまぜ、フルーツや野菜を30~60秒ほど浸し、よく水洗いすると農薬を落とすことができます。
なお、傷みやすいベリー類は重曹の代わりに天然塩(大さじ4)とレモン汁(1/2個分)を使用しましょう。
3.デトックスウォーターにおすすめの材料
デトックスウォーターによく使われフルーツや野菜のおもな働きは以下の通りです。
まずは、さわやかな風味と酸味が魅力の柑橘系のフルーツから紹介します。
オレンジ
ビタミンC(美肌)、β-カロテン(抗酸化・免疫を高める)が豊富。
レモン
ビタミンC(美肌)、クエン酸(疲労回復)が豊富で、香りに脂肪燃焼を促す作用がある。
グレープフルーツ
食物繊維(便秘解消)が多く、香りに脂肪燃焼を促す作用がある。また紅肉種はβ-カロテン(抗酸化・免疫を高める)も豊富。
ライム
クエン酸(疲労回復)、カリウム(利尿作用・むくみ解消)が豊富。
いちご
ポリフェノールのアントシアニン(抗酸化)、水溶性食物繊維のペクチン(便秘解消)、ビタミンC(美肌)、葉酸(貧血予防)が豊富。葉酸を逃さないように洗ってからへたを取るとよい。
ラズベリー
鉄分(貧血防止)とカリウム(利尿作用・むくみ解消)が豊富。
しょうが
鉄分(貧血防止)とカリウム(利尿作用・むくみ解消)が豊富。皮には体を温めるジンゲロンがあるので、皮ごと入れるとよい。
きゅうり
カリウム(利尿作用・むくみ解消)とβ-カロテン(抗酸化・免疫を高める)が豊富。
さらに、スーパーなどの小売店で通年見かける次のフルーツも栄養満点です。
りんご
皮にりんごポリフェノール(抗酸化)や水溶性食物繊維のペクチン(便秘解消)が多く含まれるため、皮ごといれるとよい。
キウイ
食物繊維(便秘解消)、カリウム(利尿作用・むくみ解消)、葉酸(貧血予防)が豊富。さらに黄肉種はビタミンC(美肌)が緑肉種の2倍以上含まれる。
パイナップル
腸内環境を整えるのを助けてくれる、タンパク質分解酵素のブロメリンが豊富。
ざくろ
カリウム(利尿作用・むくみ解消)と女性ホルモンの一種エストロゲン(PMSの軽減)が豊富。
いちじく
カリウム(利尿作用・むくみ解消)と鉄分(貧血予防)、さらに水溶性食物繊維のペクチン(便秘解消)が豊富。
4.デトックスウォーターの注意点
好みの材料を組み合わせてデトックスウォーターを作ってみたけれど、ちょっと味が微妙……好みじゃない……。
そんな時は、甘味料を加えてもOK。
とはいえ、砂糖ではなく、比較的ローカロリーなハチミツやメープルシロップなどを少し加えるだけに留めておきましょう。
なお、使用後のフルーツや野菜の処理方法ですが、いわゆる「出がらし」のため味は薄くなっていますが食べられますし、不溶性食物繊維を摂取することができるので、フルーツ類はヨーグルトに混ぜたり、スムージーに加えたりしてできるだけ食べるようにしましょう。
また、デトックスウォーターは冷蔵庫保存が鉄則ですが、体を冷やさないように、飲む前に冷蔵庫から取り出し、常温にしても良いでしょう。
ただし、フルーツや野菜の栄養素には熱に弱いものが多いため、電子レンジで温めてから飲むのはNGです。
まとめ
水に漬けられたフルーツや野菜のフォトジェニックな姿から、インスタ好きの女性を中心に流行したデトックスウォーターですが、現在はその実力が認められ、健康志向の女性たちにすっかり定着しています。
デトックスウォーター上級者のなかには、フルーツや野菜を漬ける水を、ココナッツジュース、アーモンドミルク、メイプルウォーターなどに置き換えたり、ハーブやチアシードを加えたり、より美容と健康に効果があるデトックスウォーターにアレンジしています。
この記事を読んで興味をもった方は、まずは基本からチャレンジしてみませんか。
【参考資料】
日比野佐和子 医学監修/田内しょうこ 著『ジャーでかんたんキレイに! デトックスウォーター』(主婦の友インフォス情報社)
佐々木ルミ 著/青木晃 医学監修『キレイをかなえる デトックスウォーター』(宝島社)