5色で分かる色彩心理学の活用方法!色で感情をコントロールしよう
普段何気なく目にする「色」には、気持ちを落ち着かせたり幸せを感じさせたり危機感を与えたりと、様々な心理的効果があります。
例えば信号は、赤=危険・黄=注意・緑=安全という色の印象から、この3色が選ばれています。
このように、色を人の心理に応用した学問を「色彩心理学」といいます。
この記事では、色彩が私たちの心と体に与える影響や効果を、色彩心理学の視点からご紹介していきます。
目次
1. 色彩心理学とは?
1-1. 色で心を整えるカラーセラピーとは?
2. 生命力を象徴する「赤色」
2-1. 赤色の心理学的な活用方法
3. 幸せを表す「黄色」
3-1. 黄色の心理学的な活用方法
4. 感情を高揚させる「橙色」
4-1. 橙色の心理学的な活用方法
5. 感情を落ち着かせる「青色」
5-1. 青色の心理学的な活用方法
6. 安らぎを感じさせる「緑色」
6-1. 緑色の心理学的な活用方法
まとめ
1. 色彩心理学とは?
色彩心理学とは、2003年に欧米で生まれた新しい心理学のジャンルです。
色が人の心理に与える影響は古来から注目されていましたが、本格的に研究されたのは、19世紀の詩人ゲーテがまとめた『色彩論』からです。
色彩心理学は、単に色のイメージを研究するだけでなく、
・精神をコントロールして気持ちを落ち着かせる
・好きな色からその人の傾向、特徴を探る
・人の無意識(潜在意識)に影響を与える
といった効果や影響があることが明らかになっていて、現在でも盛んに研究が進められています。
この色彩心理学を実際の医療に取り入れた例として、「カラーセラピー」が有名です。
1-1. 色で心を整えるカラーセラピーとは?
カラーセラピーとは、色で精神状態をコントロールすることを目的としたメンタルケアのことです。
例えば、うつ病の患者さんにオレンジ色を日常的に見せて気分を持ち上げたり、カウンセリングルームにヒーリング効果のある緑色を取り入れて悩みを相談しやすい空間を作るなど、色を心理的な治療や療養に活用する試みが注目されています。
また最近では、一般の方もカラーセラピストの資格を取得し、カラーセラピーを日常に取り入れることができます。
頑張りたい時に赤色の小物を付けたり、エレガントな雰囲気を出したい時に紫色の服を着たりと、色彩には工夫次第で人生すらもコントロールする力があります。
色をファッションやインテリアに効果的に取り入れたい方や、色の効果について学びたい方は、カラーセラピストの勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
さてここからは、色彩が与える心理学的な効果や影響について、具体的な色とともにご紹介していきます。
今回の記事で解説する色は、赤・黄・橙(オレンジ)・青・緑・の5色です。
それぞれのイメージを想像しながら、色の効果や活用方法をチェックしていきましょう。
2. 生命力を象徴する「赤色」
赤色は、情熱・活力・高揚といったアクティブさを象徴するカラーです。
赤は、生物の新鮮な血や肉、リンゴやイチゴなどの熟れた果実の色であることから、昔から「生命」を象徴する色でした。
このイメージから、赤は食欲・性欲といった活発な生命エネルギーを生み出したり、活動的な心理状態にしたい時に適した色です。
2-1. 赤色の心理学的な活用方法
活発な生命力を表す赤色は、仕事や家事を頑張りたい時、落ち込んだ気持ちを元気にしたい時などに活用できます。
気分を上げたい時に赤色の服や小物を身につけるだけでも、活発なエネルギーを生み出すことができるでしょう。
また、赤色は心身を興奮状態にする交感神経を刺激することが研究で分かっていて、血流が良くなったり体温が上がるなどの身体的な効果も期待できます。
3. 幸せを表す「黄色」
黄色は、幸せ・明るさ・喜びを表すカラーです。
赤やオレンジのイメージのある太陽は、実は黄色が最も色合いが近く、古来から太陽の象徴として大切に崇められてきました。
太陽光を浴びるとセロトニン(幸せホルモン)が分泌されることから、「黄色は幸せの色」という印象が潜在意識に刷り込まれているのかもしれませんね。
3-1. 黄色の心理学的な活用方法
黄色は上で解説した通り、多幸感を感じさせてくれるカラーです。
赤色の「興奮」とは違い、気分を穏やかに持ち上げ、ストレスを和らげてくれます。
また、黄色は左脳を刺激して、記憶力や判断力を高める効果があると言われています。
大事な仕事を抱えている時や人前で話さなければいけない時、黄色のアイテムを身につけることで頭の回転を早めて、目の前の課題をスムーズにこなすことができるでしょう。
4. 感情を高揚させる「橙色」
橙色(オレンジ)は、興奮の赤と幸せの黄色を混ぜた色であり、感情を高揚させるカラーです。
橙色にはカジュアルさやポップな印象があり、赤色のように攻撃的な刺激を感じさせません。
そのため、橙を好む人は社交的で人見知りをしない傾向があります。
4−1. 橙色の心理学的な活用方法
橙には、物事を深刻に捉えさせない「軽さ」があり、悩みすぎて思い詰めたり不安に押しつぶされそうになった心理状態を身軽にし、心のバランスを整える効果があります。
うつ気味だったり普段から落ち込みやすい人は、オレンジ色のインナーを着るなど日常的に橙を取り入れてみましょう。
また、オレンジやトマト・パプリカといった橙の食材を見て食欲が増した経験はないでしょうか?
橙には胃腸を刺激して食欲を増進させる効果があることから、夏バテなどで食欲が湧かない時期は、橙の食材を料理に取り入れることもおすすめです。
5. 感情を落ち着かせる「青色」
青色は多くの人が「クール・知的・冷静」というイメージを持つとおり、人の感情を落ち着かせるカラーです。
青色には心身をリラックスさせる「副交感神経」を刺激する作用があり、脈拍を下げて呼吸を穏やかにすることから、色のイメージだけでなく実際に心を落ち着けてくれます。
「落ち着きがない」「子どもっぽい」と言われる方は、青系統のファッションで相手に知的な印象を与えてみてはいかがでしょうか。
5−1. 青色の心理学的な活用方法
青色の心身を落ち着かせる効果によって、仕事や雑務・やるべきことに対する集中力を高めることができます。
感情を平坦にして集中力を持続させたい時は、仕事用のアイテムや制服などに青色を取り入れるだけでも、作業効率を上げることができます。
また、青色は「誠実さ」を象徴するカラーでもあり、特に初対面との人とのコミュニケーションを円滑にして、信頼関係を築きやすくしてくれます。
仕事でもプライベートでも、仲を深めたい人と会う時は青を基調に当日のファッションをコーディネートしてみましょう。
6. 安らぎを感じさせる「緑色」
緑は、これまで紹介してきた暖色の赤にも寒色の青にも属さない「中間色」であり、人間の可視光のうち最も刺激の少ない色です。
森林浴や登山などで草木に囲まれると心が落ち着く理由は、森の静けさだけでなく、目や脳に優しい緑色を多く目にするからでもあります。
青の冷静さとは異なる「無刺激・無害・平和」な印象を与え、まるで瞑想した時のようなリラックス効果をもたらしてくれます。
6−1. 緑色の心理学的な活用方法
緑の心理的な効果は、一言で表すなら「癒し」です。
部屋に観葉植物を置くだけでも、ヒーリング効果を高めて平和な気持ちを保ちやすくなるでしょう。
また、植物には成長のイメージもあることから、緑色を日常的に取り入れることで物質や精神の豊かさを引き寄せてくれます。
穏やかな生活や暮らしを求めている方は、観葉植物や家庭菜園などで植物を身近に感じられる空間を作ってみましょう。
まとめ
色彩の心理的な作用や効果・メリットを知ると、
「やる気を出したいから赤色の小物を身につけよう」
「最近落ち込み気味だからファッションに黄色を入れてみよう」
「リラックスするために緑の多いところを散歩してみよう」
といったように、毎日の生活を色で自在にコントロールすることができます。
色を自在に活用できれば、やがて人生にも良い影響を与えてくれるでしょう。
色彩心理学を活用して、自身の心と体を良い状態に整えてみてくださいね。