「今、この瞬間」を大切にする マインドフルネス
集中力が身に付く、心が穏やかになるなど様々な効果が確認されており、現在、様々な著名人を始め、世界的な大企業も導入するなど、信頼性の高いメンタルトレーニング法のひとつであるマインドフルネス。
やり方はとても簡単で、誰にでもすぐに実践することができるので、今日からぜひマインドフルネスにチャレンジしてみましょう。
目次
1. マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、瞑想の一種で、1979年に米国のジョン・カバット・ジン博士によって体系化されたメンタルトレーニング手法です。
「今、この瞬間」と自分の呼吸に意識を向け、五感を使って周りのものを感じていくという瞑想法です。
心身ともに健康になれるメンタルトレーニング
実践すると、心が落ち着き、ストレスも軽減されるだけでなく、集中力のアップ、抗炎症効果もあるということで、科学的にも実証されています。
幸福感や満足感も得られやすくなり、コミュニケーション能力も上がります。
継続することで、人間性の向上と人生の成功を、体感していくことができます。
そのため、各界の著名人も、実践して成功されています。
2. マインドフルネスの効果
マインドフルネスには、以下のような効果があります。
・集中力がアップ
・ストレスの解消
・リラックス効果
・睡眠の質の向上
・体調が良くなる
また、マインドフルネスで思考が整理されてクリアになることで、様々な能力が発揮されやすくなったり、精神的に安定した自分になることができます。
3. マインドフルネスのやり方
やり方は、目を閉じて自分の呼吸に集中するだけです。
正確に言うと、マインドフルネスに特定のやり方はありません。あえて言うならば、物事に意識を集中する、というのがマインドフルネスのやり方です。
ただ、それだけでは良く分かりませんよね。そのため具体的な方法として、マインドフルネス瞑想という方法が知られています。
マインドフルネス瞑想のやり方は次の通りです。
1.背筋を伸ばして椅子に座る
2.軽く目を閉じる
3.意識を呼吸に集中させる
たったこれだけ。とても簡単です。
それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
背筋を伸ばして椅子に座る
リラックスできる椅子を選んで、浅く腰をかけてください。
使い慣れた椅子が一番良いでしょう。背もたれがあるものでも、ないものでも構いません。
腰を掛けるときは、背筋を伸ばします。
自分の意志で背筋をピンと伸ばすイメージではなく、頭の上から何かに引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばしてください。
両足を肩幅の間隔ほどに広げ、手を軽く握って太ももの上に置きます。
軽く目を閉じる
椅子での姿勢が整ったら、次に軽く目を閉じます。
目を開けたままでも良いという説明も見られますが、できれば軽く閉じたほうが良いでしょう。
なお、目を開けたままマインドフルネスを行なう場合には、視線を斜め前方に落とし、空(くう)をぼんやりと眺めるようにします。
意識を呼吸に集中させる
すべての雑念を消し、意識を自分の呼吸だけで集中させてみてください。
もし雑念が邪魔をしてきたら、無理にそれを排除しようとせずに放っておきましょう。
排除しようとすればするほど、雑念が多く湧いてくるものです。
60秒から90秒をワンセットとし、これを1日に13~15回行ないます。
なお、ヨガなどでは腹式呼吸が推奨されていますが、マインドフルネスでは呼吸法にこだわる必要はありません。普段通りに呼吸してください。
以上がマインドフルネス瞑想のやり方です。まったく難しくありませんよね?
最初は、市販のマインドフルネスの動画やCD、アプリなどをガイドするのもおすすめです。
徐々にステップアップをすることで効果を実感
呼吸に意識を集中させることに慣れてきたら、今度は別のものに意識を集中させる練習をしてみましょう。
屋外の音、部屋の温度、部屋の匂いなど、意識を集中させる対象はなんでも構いません。
ひたすら1つのものだけに意識を集中させます。
さらに慣れてきたら、今度は仕事や家事など、日常の一つ一つの動作を対象にして意識を集中させてみましょう。
このレベルまで達成できれば、もうマインドフルネスの効果を実感しているかも知れません。
4. マインドフルネスで成功した人たち
マインドフルネスで成功した人たちにはたくさんいます。
以下にあげた人たち以外でも各界著名人で成功した人は数多くおり、挙げればきりがありません。
ビル・ゲイツ <マイクロソフト創業者>
ビル・ゲイツの成功の裏には、マインドフルネスの実践による集中力の養成があったとされます。マインドフルネスを通じ、どんな場面でも、その瞬間にたった一つのことにだけに集中する、という自分を作り上げたそうです。 またビル・ゲイツは、毎日「自分が成功するイメージ」にも集中していたと言われています。
スティーブ・ジョブズ <アップルコンピュータ―創業者>
スティーブ・ジョブズもまた、マインドフルネスを通じて大成功を手に入れた人物として有名です。
スティーブ・ジョブズが語ったとされる言葉に、とても興味深いものがあります。
「ただ椅子に座って自分自身を観察する。すると、いかに自分の心が落ちつきがないかを知る。落ち着かせようとすればするほど、心は乱れていく。しかし、それでも時間をかけて心を穏やかにする努力を続ける。するといつか、とてつもなく大きな広がりを感じることができる」
世界を席巻するアップルコンピュータ―は、彼のマインドフルネスから生まれた企業と言えるでしょう。
イチロー <日本人メジャーリーガー>
イチローは、試合に臨むときには必ず決まった動きをすることで知られています。その動きの一つが、試合直前のマインドフルネス。選手控室の自分のロッカーの前に椅子を置き、腰を掛け、目を閉じ、そして30分ほどマインドフルネスを実践していると言います。
もともとイチローは、オリックスにドラフト4位で入団し、1位ではありませんでした。スタート時点では、さほど大きな期待を寄せられていた選手ではなかったのですが、その後、マインドフルネスなどを通じて「世界史上もっとも偉大なプロ野球選手」へと変貌していったのです。
また個人に限らず、社員全員で実践して成長を遂げた大企業も数多くあります。Facebook、インテル、NIKE、Yahoo!…などがそれにあたります。
5. 科学的に効果を検証
実践する人の多くが、大なり小なり何らかの効果を実感しているマインドフルネス。
偶然では片付けられないたくさんの事例があることから、すでに多くの研究者がマインドフルネスの効果を、科学的な視点から研究しています。
数多くあるマインドフルネスの研究の中から、ここではすでに科学的に実証された3つの効果についてご紹介します。
なお、これらの科学的研究は、ヨガの瞑想や一般的な瞑想を含む広義のマインドフルネスを対象にして行なわれています。
集中力アップ効果 <ワシントン大学・アメリカ>
【研究内容】
慢性的にストレスを受けている210名の被験者に対してマインドフルネスを6ヶ月ほど実践させ、ストレスに関わる遺伝子の変化について調査しました。
【研究結果】
ストレスに関わる遺伝子の数が、明らかに減少しました。
ストレス軽減効果 <ハーバード大学・アメリカ>
【研究内容】
管理職として働く被験者を対象に、マインドフルネス後の作業のスピード、正確性、複数同時作業の効率性などをチェックしました。
【研究結果】
マインドフルネスが不十分なグループに比べて、集中力、記憶力ともにアップしました。
抗炎症効果 <オハイオ大学・アメリカ>
【研究内容】
乳癌を克服した女性被験者200名について、マインドフルネスを行なうグループ100名、行なわないグループ100名に分け、その3ヶ月後に血液検査を行なって両グループを比較しました。
【研究結果】
マインドフルネスを実践したグループにおいて、3つの炎症マーカー値が10~15%ほど減少しました。
科学的な観点からアプローチしたマインドフルネス研究は、これ以外にもたくさんあります。
日本においては、うつ病の治療、ホスピスの緩和ケアなどを目的に、マインドフルネスを導入する医療機関も増えてきました。
6. マインドフルネスをもっと知りたい人におすすめの本
『1分間瞑想法』 著者・吉田昌生
集中力を高めたり、ポジティブ思考を身に付けるのに役立つ瞑想を、分かりやすく簡単に行える方法としてまとめたものです。好きな時間に1分間、目をつむり頭から雑念を無くすだけでみるみる生活が変わります。人生をハッピーに生きたい人に、是非手に取って欲しい1冊。
『世界のエリートはなぜ瞑想をするのか』 著者:渡邊愛子
過酷な競争が繰り広げられるアメリカのエリート達が仕事で成功するために「瞑想」を行っています。世界でもトップクラスのエリート達はなぜ「瞑想」を習慣的に行っているのか、その理由と効果についてまとめた1冊。1日のわずかな時間をあてるだけで仕事が上手くいく瞑想法についても詳しく書かれています。
まとめ
人が何かを成し遂げるとき、または、何かを変えていくとき、そこには必ず行動が必要です。そして行動を促すのは、自分の意識です。
意識を変えるためには、まず集中して自分の意識と向き合い、そして変えていくことが必要です。
マインドフルネスを最大限に活用すれば、やがて自分自身の意識・集中力をコントロールできるようになってくるはずです。