おみくじを開運ラッキーアイテムにするためのポイント
初詣など神社を参拝するときに、「運試し」としておみくじを引く人も多いのではないでしょうか。
「大吉」を引くと、それだけでハッピーな気持ちになりますし、逆に「凶」だとしょんぼりしてしまいます。
けれど、おみくじの注目ポイントは吉凶の結果だけではありません。
吉凶と一緒に書かれている和歌や漢詩も、おみくじでは大切な部分です。
この記事ではなぜ和歌や漢詩が大切なのか、そしておみくじに書かれた和歌はどう解釈すればよいのかを説明します。
和歌は神様の、漢詩は仏様からのメッセージ
「五・七・五・七・七」の三十一文字で構成された和歌は、日本の伝統的な詩歌で、神様が最初の和歌を作ったとされています。
そのため、神様は人間に対して“和歌でお告げをする”と考えるようになりました。
神社のおみくじに和歌が書かれたものが多いのは、「和歌=神様からのメッセージ」という意味があるのです。
(お寺のおみくじには漢詩が書かれているものが多くあります。中国から伝わった経典で仏教を学んだため、「漢詩=仏様からのメッセージ」と考えられたためです。)
おみくじに書かれている和歌は、だいたい次から選ばれています。
A:勅撰和歌集
B:その神社と縁が深い人物の歌
C:その神社のご祭神が生前に詠んだ歌
D:神社の神職が詠んだ歌
おみくじを引く神社の選び方
旅行先の神社で、旅の記念や運試しもかねておみくじを引くのは楽しいものです。
しかし、願いごとや悩みを抱え、人生を切り拓く手がかりがほしくておみくじを引く場合は、その内容に関連した神社を選ぶようにしましょう。
例)
恋愛:縁結びで有名な神社
試験合格:学業の神様がいる神社
など
有名な神社ほどご利益があるはずと思いがちですが、一番確かなのは自分の直感です。
おみくじを引く神社の候補が複数ある場合は、実際に訪れてみましょう。
「あ、この神社の空気は好きだな」
そう感じるのは、その神社の神様が歓迎してくれている証拠。
きっと願いごとや悩みに応じたメッセージを与えてくれるはずです。
和歌の言葉から開運のキーワードを読み取る
おみくじの和歌は基本的に昔の言葉で書かれていますが、和歌の現代語訳や解釈が一緒に書かれているのが一般的です。
そして、次の3つのステップで自分のものにして開運につなげていきましょう。
【ステップ1】
和歌を声に出して三回読む。
【ステップ2】
和歌に使われている言葉からキーワードを探す。
【ステップ3】
キーワードから連想を広げて運気アップの手がかりを見つける。
もともと和歌は「声に出して読む」ものでした。
【ステップ1】の一回だけでなく連続して三回読みあげることで、次第に和歌に使われている言葉や表現が浮かび上がってきます。
まずは「五・七・五・七・七」のリズムを意識して読むようにしましょう。
【ステップ2】以降は次に具体例を出してみます。
名残なく 雲のこなたに 晴れにけり 外山(とやま)へかかる 夕立のほど
式子(のりこ)内親王
(意訳:夕立のあとの澄み渡る青空のように、心にはなんの未練もありません)
この和歌は、上賀茂神社(京都市北区)のおみくじに書かれていたものです。
簡潔に言ってしまえば「前向きに」という意味になります。
【ステップ3】では、この「晴れ」という言葉から、道具や物、行動、場所などにイメージを広げていきます。
少し具体例をあげてみましょう。
・晴天→天気がよい日の散歩やスポーツ
・晴れ着→ドレスアップ
・太陽の光→窓にサンキャッチャーを飾る
・青空→青いパワーストーンを身に着ける
世間一般のイメージに囚われる必要はなく、自分自身が言葉から連想するものを大切すればOKです。
できるだけ自分が「楽しい」「うれしい」と感じられる連想をするようにしましょう。
神様からのメッセージを自分のものにするためには、できるだけ自分自身の「内なる声」に耳を傾けながら連想を広げるのがポイントです。
おみくじを引くときと引いたあとのマナー
おみくじを引くタイミング
おみくじは参拝を済ませたあとに引くべきだとされています。
おみくじには、神様のメッセージを受け取りやすくするお作法があります。
自分が抱えている願いごとや悩みごとを神様や仏様に報告し、それに対するメッセージをもらえるように準備をしてから、おみくじを引くようにしましょう。
やってはダメ!おみくじのマナー
おみくじの引き直しは絶対にやめましょう。神様や仏様からのメッセージを軽んじる行為となってしまいます。
「凶」を引いたとしても、それの神様や仏様からのメッセージを受け取りましょう。
同じ願いごとや悩みごとに対するメッセージを求めて、複数の神社や寺院でおみくじを引くこともおすすめしません。
メッセージをくれた神様や仏様を信じていないことになってしまうので、1つの願いごとや悩みごとにつきおみくじは1回だけにしましょう。
おみくじを引いたあとは?
おみくじを、境内の木の枝に結ぶ人が多いと思います。
しかし、「おみくじを結ぶと願いごとが叶わなくなる」という古い言い伝えもあるので、良いことが書いてあるおみくじは、持ち帰って、時々読み返すのもおすすめです。
そして、引いた時の願いごとや悩みごとが解決したら、おみくじを引いた神社や寺院にお礼参りをして、古札納所に納めるのが理想的です。
まとめ
いかがでしたか。
何気なく引いてきたおみくじにも、たくさんの意味が詰まっています。
おみくじを引く神社や寺院は自由ですし、
「1つの願いごとや悩みごとに対して1回だけ」というルールを守れば、おみくじは1年間に何度引いても大丈夫です。
まずは初詣でおみくじを引くときに、吉凶だけではなく書かれている和歌もじっくり鑑賞してみてください。
意外な運が開けるかもしれませんよ。
【参考資料】
平野多恵『神さまの声をきく おみくじのヒミツ』(河出書房新社)
八木透 監修『開運&幸せを呼びこむ おみくじ集め ハンドブック』(辰巳出版)