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おさえるべきは「出汁(だし)」 手料理の基本をレベルアップ!

#ヘルシー #ライフスタイル #学びたい

 

世界無形文化遺産になり、健康的な食事としても、世界中から注目を集めているのが和食。

海外から日本に訪れる旅行客の中には、訪日目的のひとつに「和食を食べること」を挙げる人も少なくなりません。

和食は汁物と副菜3品の「一汁三菜」が基本で、油をあまり使わず、栄養バランスがとりやすいという特徴があります。

そして和食の味を大きく左右するのが「出汁(だし)」。
きちんとだしをとることで、料理の味もワンランクアップします。
そこで今回は、だしの種類からとり方までをまとめました。

 

目次

 

1. 料理に奥行きを出す「出汁(だし)」の重要性

2. 世界の料理に使われる出汁(だし)

3. 和食で使用する出汁(だし)の材料

4. 美味しい和食の出汁(だし)のとり方

まとめ

 

1. 料理に奥行きを出す「出汁だし」の重要性

 

 

料理の味を左右するものは、3つあります。
それは「塩加減(塩梅)」「だし」「火加減」です。

塩には、素材から浸透圧で水分を出して、うま味を濃縮する働きがあります。
味付けの基本のひとつでもあります。

私たちの体にも塩が含まれています。
その塩分濃度は約0.85%で、これより料理の塩分の割合が低いと薄味に、高いと濃い味に感じるそうです。
人間は、塩分濃度が0.85%に近い料理を美味しく感じると言われています。

だしとは、「煮だし汁」のこと。
素材を煮詰めて、うま味を抽出したもので、料理にコクを出したり、味の奥行きを深める働きがあります。
だしを使うことで、料理の塩分濃度が0.85%より低い約0.5~0.8%でも、美味しく感じさせることができます。

最後に味を決めるのが、火加減です。
料理に合わせて適切な火の強さで調理することで、美味しく仕上がります。

 

2. 世界の料理に使われる出汁(だし)

 

 

だしと聞くと、和食のものというイメージが強いですよね。
実は和食以外でも、だしは使われています。

 

フランス料理

フランス料理でだしと言えるのが「フォン」と「ブイヨン」。

フォンは、基本、あるいは源を意味する言葉です。
フランス料理ではおもにソースのベースとして使われます。
フォンはさまざまな材料を組み合わせて、それらを長時間煮込んで作ります。
牛(子牛も含む)や鶏、野菜などを使う「白いフォン」、肉や骨を焼くか炒めてから煮込んで作る「茶色いフォン」、白身魚と野菜を使う「魚のフォン」などがあります。

一方のブイヨンは、スープのベースとして使われるもの。
肉や野菜を水から煮込んで作り、肉類の骨を使わないのが特徴です。

 

中国料理

中国語で「だし」に相当するのが「湯(タン)」です。
材料を煮込んで作るもので、動物性の材料から作る「葷湯(フンタン)」、植物性の材料から作る「素湯(スゥタン)」に分けられます。

また、「湯」の濁りぐあいによって分ける方法もあります。
ひとつがコンソメスープのような澄んだもの(「毛湯(マオタン)」「清湯(チンタン)」「紅湯(本タン)」など)と、もうひとつが白濁した「白湯(パイタン)」になります。

「湯」のバリエーションはさまざまで、使う素材によって名称が異なります。
さらに、作り方や位置づけも、地域によって変わってきます。

 

3. 和食で使用するおもな出汁(だし)の材料

 

 

和食のだしにも、いくつかの種類があります。
おもなだしの材料は4つあります。

 

かつお節

かつお節は、カツオを煮た後でいぶして、乾燥させたもの。
癖がなく、上品なだしが取れます。
かつお節は、イノシン酸といううま味成分を多く含んでいます。
熟成期間などによって、ふたつに分けられます。

枯節

カビをつけて熟成させた「枯節」は、まろやかな香りが特徴で、うま味の濃いだしがとれます。
作るのには2か月以上かかります。
水分が15%以下のものは「本枯節」と呼びます。

「荒節」(鬼節)

1か月ほど乾燥させてできる「荒節」は、強い香りが特徴で、スッキリしただしが取れます。
「花かつお」の材料としても使われています。
表面についた煙の成分や脂肪などを削ってから成型したものは「裸節」と呼びます。

なお、削って使うかつお節のほか、そのまま使える「削りぶし」もあります。

 

昆布

海から採った昆布を乾燥させたもの。
癖がなく、素材の味や香りを引き出すだしが取れます。

昆布はグルタミン酸といううま味成分を多く含んでいます。
グルタミン酸は、かつお節に含まれるイノシン酸と組み合わせることで、うま味が濃厚になります。

おもな昆布としては、濃厚でコクのあるだしがとれる「羅臼昆布」、昆布巻きなどの食用としても使われる「日高昆布」、香りが高く味の濃いだしがとれる「利尻昆布」などがあります。

 

煮干し

煮干しは、小魚を煮てから乾燥させたもののこと。
一般に、カタクチイワシが使われます。
お袋の味として、親しまれてきました。

煮干しはイノシン酸が豊富で、グルタミン酸も少し含んでいます。
そのため、煮干しだけでうま味の強いだしがとれます。

なお、カタクチイワシの他に、あご(トビウオ)やあじこ(マアジ)、たい、のどぐろ、ひらご(マイワシ)などの煮干しもあります。

 

干し椎茸

干し椎茸は、収穫した椎茸を乾燥させたもの。
グルタミン酸、イノシン酸と並ぶ3大うま味成分のひとつ、グアニル酸を含んでいます。

傘が7分開きにならないうちに収穫した「どんこ」、7分開きになってから収穫した「香信(こうしん)」、どんこと香信の中間の「香こ」などがあります。

 

4. 美味しい和食の出汁(だし)のとり方

 

 

一番だし

和食の定番のだしといえば「一番だし」。
昆布とかつお節のうま味がたっぷり入っただしです。
これさえ覚えておけば、ほとんどの料理に活用できます。

<とり方>

材料:水1リットルに対して、昆布10〜20g、かつお節20〜30g

①表面の汚れを拭き取った昆布を、水の入った鍋に30分ほどつけておく。
②①の鍋を火にかけ、弱火から中火弱の火加減で、沸騰させずに煮だす。
③昆布を取り出し、中火にして鍋底から気泡が立ち上るようになったら削り節(もしくは削ったかつお節)を鍋に入れる。
④すぐに火を止めて、かつお節が沈むまで2~3分待つ。
⑤味を見て、うま味が十分出ていたら、ざるなどで静かにこす。

 

煮干しだし

お味噌汁にぜひ試したいのが煮干しだしです。
煮干しは頭とはらわたを取る下処理をしてから使いましょう。

煮干しだしのとり方には水出し方と煮出し方がありますが、簡単なのは水出し方です。

<とり方>

材料:水1リットルに対して、下処理した煮干し40〜80g

①煮干しの頭とはらわたを取る。
②ペーパータオルを敷いた耐熱皿の上に①の煮干しを並べて、600Wの電子レンジで30秒加熱するか、フライパンで煎る。
③水を張ったボウルに②の煮干しを入れてラップをし、冷蔵庫で一晩置く。

 

干し椎茸だし

根菜や大豆製品と相性がいいだしです。
干し椎茸だしをとるときの注意点は、冷水を使うこと。
常温やお湯を使うと、グアニル酸が分解されて減ってしまいます。

<とり方>

材料:水1リットルに対して、干し椎茸約50〜90g

①干し椎茸は、水を張ったボウルで振り洗いをして、ホコリやゴミを落とす。
②きれいな水の入ったボウルに①の干し椎茸を入れて落としぶたをし、冷蔵庫で一晩置く。

 

まとめ

 

 

料理の味の決め手となる「出汁(だし)」。
味に奥行きを出してくれるだしは、和食だけでなく中華料理やフランス料理などあらゆる料理で使われています。

家で料理をつくるときは、ついついめんどくさがって粉末だしに頼る人も多いと思いますが、意外に簡単にとることができます。
家庭料理がワンランクアップしますから、ぜひチャレンジしてみてください。

 

 

【参考資料】
「知っておきたい だし事典」
「だしのいろは」