大掃除で新年の福を呼び寄せる! 開運掃除術
『掃除をすると運気が上向きになる』
断捨離、整理整頓、そして掃除の指南書などでよく書かれていることですが、実はこれ、まぎれもない事実なんです。
神仏を祀っている神社仏閣の多くで、こまめに掃除が行われて清潔が維持されているのもそのためです。
汚れていたり雑然としたりする所は、邪気が溜まり、幸運をもたらしてくれる良い気を遠ざけてしまうのです。
新年を迎える準備である大掃除も、「清浄な場所には良い気が集まる」という考え方が深く関わっています。
日本では、初日の出とともに「歳神(年神)」と呼ばれる神様が家々を訪れ
新年の幸せを授けてくれると古くから信じられてきました。
大掃除とは旧年の穢れを取り除き、歳神をお迎えできるように住居を清浄にすることなのです。
ここでは、運気を上げて、新年の福を呼び寄せるための大掃除の方法を具体的にご紹介していきます。
目次
1.年末の大掃除はいつから?
大掃除は旧年中に終えるのはもちろんですが、「事始め」と呼ばれる、新年を迎える準備を始める日である12月13日から取り掛かるのが一般的。
12月13日は、神社仏閣で「煤(すす)払い」が行われる日でもあります。
薪やロウソクを燃やすことで発生した煤は、陰陽五行説の「火生土(火から生まれた土)」にあたり、昔は集めた煤を神棚に供え、新年の豊穣を祈るための呪物の一種でした。
とはいえ、現代の一般家庭では払うべき煤はありません。大掃除をしても集まるのはホコリだけ。
煤とは異なり、ホコリは邪気を集めるとされますので、集めたらすぐにゴミとして捨てるようにしましょう。
また、掃除をする時間帯は朝が一番とされています。
朝日は浄化の力が強いため、光を取り込むために窓を大きく開ければ、換気もできて一石二鳥!
特に、午前7~9時の間は風水では「ドラゴンタイム」と呼ばれ、気の動きが大きいので、この時間帯に掃除をすると、家の中に溜まった悪い気を追い出し、良い気を引き込みやすくなります。
2.年末の大掃除で特に注意すべき場所は?
一番、念入りに掃除すべき場所は、住居の出入り口である玄関。
なぜなら、玄関は人間だけでなく目に見えない存在も出入りする場所ですので、当然、歳神様も玄関からいらっしゃいます。
まず、靴を並べる三和土(たたき)をほうきで履いて、砂やホコリを取り除きます。
その後、水拭きをするとよいのですが、普段から玄関の掃除をしていない場合は、ひとつかみの塩をまいてください。
まいた塩をほうきで外に掃き出し、玄関の外に掃き出した塩を水で流すとより浄化の効果がアップします。
三和土には住人1人につき1足分の靴だけ置くようにしましょう。
悪い気は下に溜まると言われていますので、余分な靴が散乱していると悪い気がとどまりやすくなってしまいます。
三和土の水拭きが終わったら、次は玄関の戸も水拭きしましょう。
特に玄関の戸のおもて側は念入りに。
玄関は出入り口でもあり、一種の結界でもあるため、玄関の戸のおもて側が清浄であると、それだけで邪気が入って来づらくなるからです。
戸の水拭きが終わったら、門松やしめ飾りなどを飾りましょう。
門松やしめ飾りは歳神様に対して「お招きする準備ができています」という目印です。
3.玄関の次に大掃除すべき場所は?
玄関が終わったら、次は鏡餅を飾る部屋を掃除しましょう。
新年に家を訪れた歳神様は、1月14日・15日の小正月に出て行かれるまで、その家に飾られた鏡餅をより代(一時的に宿る場所)にします。
そのため、鏡餅を飾る部屋は特に清浄でなければなりません。
和室がある家の場合は、そこに鏡餅を飾ることになりますが、現代の多くの家庭では、鏡餅を居間(リビング)に飾ることが多いと思います。
そのため、掃除機やほうきで床のゴミやホコリを取り除いて、フローリングの場合は、玄関の三和土と同じく水拭きすることをおすすめします。
畳の場合は、乾燥した清潔な雑巾で乾拭きですが、年数が経っている畳は水で薄めたお酢で拭くのも良いです。
ただし、畳は湿気が残るとカビが生えてしまうため、次の点を必ず守りましょう。
1:お酢の分量はバケツ1杯の水につき大さじ2杯。
2:お酢を混ぜた水を含ませた雑巾は固く絞る。
3:畳の縁に触れないようにする(お酢に反応して変色する場合がある)
4:畳を拭いたあとは、完全に乾燥するまで部屋に空気を通す。
床は大地のパワーを受け止める場所ですので、掃除のあとは必要なものだけ置いて、必要のないものは収納することで運気が上昇します。
また、居間には大きな窓がある場合が多いですが、窓は必ずピカピカにしてください。
窓の汚れは太陽の光を妨げるだけでなく、玄関の戸と同じく、良い気を遠ざけ、悪い気を引き寄せてしまいます。
4.水回りの大掃除は特に念入りに!
キッチンやトイレ、洗面所やお風呂といった水回りの掃除は、恋愛運や金運が上昇するとよく言われます。
「経営の神様」とも称されている昭和の実業家・松下幸之助さんが、会社のトイレ掃除を重要視していたことも大変有名です。
水回りは体についた汚れを落とす場所ですから、それだけ「穢れ」が強い場所。
そのため水回りの掃除はご利益が高くなるのです。
水回りを掃除するときに共通して気をつけたいことは、次の3つ。
1:蛇口をピカピカにしておく。
2:水を使った後の水滴を残さない(お風呂は換気扇をしばらくつける)。
3:ゴミが出たらすぐに捨てる(生ごみ、排水溝の抜け毛など)。
さらに、個別に注意しておきたいのは以下となります。
トイレ
・ 便器周辺の床はお湯で水拭きする。
・ 便器のフタの内側を忘れずに水拭きする。
・ 便器の裏側を忘れずに掃除する(ホコリが溜まりやすい)。
洗面所・お風呂
・鏡をピカピカにしておく。
水回りが鬼門(北東)と裏鬼門(南西)の方角にある家の場合は、盛り塩を置いて、1週間に1度は交換してください。
5.寝室の大掃除は特に入念に!
イライラしている気分も、一晩眠ると落ち着いていることがあるように、睡眠も一種の浄化にあたります。
特に新年には、1年の吉凶を占う初夢がありますので、寝室の掃除も非常に重要です。
これまでの場所と同じように、寝室もまずは床をきれいにすることが基本です。
そして、大切にしたいのが、寝具の扱い。
顔や手足に触れるシーツや布団カバーは、できれば木綿など天然素材で作られたものがベスト。
さらに、2、3日に1回交換できていることが理想です。
ただ、日差しが弱く日照時間も短い冬場にはシーツや布団カバーのような大物の洗濯物を干すのは大変ですし、乾燥機も電気代がかかってしまいます。
こまめに交換するのが難しい場合は、様々な感情を吸い取っている枕カバーだけでも毎日交換するようにしましょう。
洗いたてのシーツ、布団カバー、枕カバーで眠れば、きっと縁起の良い初夢を見ることができ、新年の運気も上昇するはずです。
まとめ
大掃除をする際は、宙を舞うホコリを吹き飛ばすためにも、少し寒いですがこまめな換気が大切です。
ただし、空気が通り抜けしづらい構造の部屋の場合は、扇風機などで人工的に風を起こすのもひとつの手です。
お気に入りのお香やアロマオイルを焚いたりするのもいいですね。
最近は、ネイティブアメリカンが儀式に用いる神聖な植物「ホワイトセージ」を燃やして出る白い煙によって、「悪しきもの」を遠ざけるスマッジング(浄化)にも注目が集まっています。
ただし、集合住宅などでは、ホワイトセージを焚くのも難しいかもしれません。
その場合は、ホワイトセージを用いた浄化スプレーも販売されています。
大掃除の仕上げに浄化スプレーをワンプッシュすれば、新年を迎える準備は完璧ですね。
【参考資料】
西邑淸志『幸せの神さまとつながる お掃除の作法』(青春出版社)
内川あ也『たった3日で運がよくなる 玄関風水』(幻冬社文庫)
山本三千子『「還暦」に赤いちゃんちゃんこはなぜ? 冠婚葬祭と陰陽五行の謎』(講談社)
『sweet占いBOOK特別編集 人生が変わる! すごい開運おそうじBOOK 2019決定版』(宝島社)