隕石に秘められた奇跡のパワー
宇宙からやってきた隕石には、地球上に存在しない物質が含まれています。
月から来た月隕石、火星から来たと推測されている火星隕石……
さまざまな種類の隕石が知られていますが、ほとんどの隕石は火星と木星の間にある小惑星帯(メインベルト)から来たものであることが最近の研究でわかりました。
地球にいながら宇宙を感じさせてくれる隕石は、スピリチュアルの世界からも高い関心が寄せられています。
世界に広がる隕石人気
近年、隕石に対する関心が高まっています。
世界各国に隕石の収集にはまる「隕石コレクター」と呼ばれるコレクターが存在しています。隕石コレクターは日本にもいて、自分の集めた隕石を展示する「隕石展」が開かれたこともあります。
近年では、隕石や隕石グッズ、隕石ジュエリーなどを専門に扱うショップなども人気を集めています。
芸能界にも隕石ファンは多く、ある女性芸人が隕石のパワーで「隕石婚」をしたことも話題となりました。
遠い宇宙から地球にやってきた隕石には、「出逢い」を引き寄せるパワーがあるのかもしれません。
古代から崇拝の対象だった隕石
隕石は古くから、多くの地域の人々に「神聖なる石」として崇拝されてきました。
例えば、ツタンカーメンの王墓では、隕鉄で作られた短刀が見つかっています。
また、古代ローマ時代にヴィクトリア神殿に祀られていた立方体の黒い石は隕石だったと言われており、イスラム教のメッカの中心の聖石についても、隕石ではないかと言われていました。
隕石が王や国家の宝、ご神体として祀られていたのは、古代人たちが隕石のパワーを実際に感じていたからではないでしょうか。
隕石に秘められた神秘のパワー
パワーストーン界では、隕石は相生して「メテオライト」と呼ばれ、含まれる成分の割合によって、「石質隕石」「鉄隕石(隕鉄)」「石鉄隕石」の3種類に分けられます。
メテオライトの神秘的なパワーと強いエネルギーは、新しいことを始めるときなどの力になると考えられており、健康にもよい影響を与えるとされています。
●石質隕石
地球で見つかる隕石の中でも最も多いのが「石質隕石」で、隕石の90%以上を占めています。
石だけでできており、おもな成分はマグネシウム鉄ケイ酸塩鉱物です。
パワーストーンでいうと、コンドライトがこれにあてはまります。
コンドライトは生命力を高め、眠っている潜在能力を開花させる力があるとされます。
●鉄隕石(隕鉄)
鉄隕石は、隕鉄とも呼ばれていて、隕石全体の5%程度を占めています。
金属鉄がおもな成分で、数%のニッケルを含んでいます。
パワーストーンでいうと、ギベオンがこれにあてはまります。
ギベオンは価値観の変化を促す力があるとされており、仕事や人付き合いでもっと上昇したいと考えている人に向いています。
ギベオン隕石はアクセサリーにもなっています。
ギベオンについてもっと詳しく知りたい方は「あなたと宇宙をつなげるギベオン隕石」の記事もぜひご覧ください。
●石鉄隕石
隕石の中で、一番少ないのが、石鉄隕石です。
成分は石(ケイ酸塩鉱物)と鉄が混じり合っています。
とても珍しい隕石で、日本では、高知県香美市に落ちた「在所隕石(ざいしょいんせき)」ぐらいしかありません。
パワーストーンでいうと、パラサイトがこれにあてはまります。
強い精神力と粘り強い行動力を育て、夢を実現へと導いてくれる石と言われています。
隕石ゆかりの神社や街でその力にあやかる
隕石は大きければ大きいほどパワーが強いと言われています。
とは言え、隕石は希少価値が高いので、大きなものとなると、高価でなかなか入手するのは難しいと思います。
大きい隕石のパワーを得たいと思ったら、隕石ゆかりの神社や街を訪れて、パワーのお裾分けをいただくのがおすすめです。
ここでは隕石にゆかりがあることで有名な神社や街をいくつか紹介します。
須賀神社(福岡県直方市)
福岡県直方市の須賀神社には、861年に落下した直方隕石が納められています。
直方隕石は、世界で最も古い落下が目撃された隕石です。
この神社では、境内にとても明るい光と大きな音が発生した翌日、村人達が穴の底から重い石を見つけたという「飛び石伝説」が語り伝えられています。
この飛び石が直方隕石で、石質隕石のコンドライトです。
大きさは手のひらにのるぐらいですが、重さは472gもあります。
5年に一度の御神大祭では、本物の直方隕石も行列の輿に載せられて、町を練り歩きます。
星尾神社(岡山県井原市)
承久年間(1219〜1231年)に3つに割れた隕石が落ちたと伝えられる「星尾降神伝説」が残っているのが、星尾神社です。
毎年8月には、全国から集められた七夕の短冊や絵馬を燃やして、願いが天に届くように祈願する「七夕祈願祭」が開かれています。
リース・クレーター(ドイツ)
外国には、隕石の落ちた場所につくられた都市もあります。
ドイツ南部にあるリース・クレーターは、およそ1500年前に石質隕石の衝突によってできた直径25キロメートルの衝突クレーターです。
このクレーターの中に、中世の城郭都市ネルトリンゲンがあります。
町にある教会も隕石と関わりが深く、15世紀に建てられたこの教会には、隕石の衝突でできたスエバイトと呼ばれる岩石が使われています。
まとめ
宇宙由来の隕石には、価値観を変革させ夢の実現を後押しするなどの不思議な効果があると言われています。
興味がある方は、隕石アクセサリーを身につけたり、国内外にある隕石とゆかりの深い神社や街を訪れることで、そのパワーをぜひ実感してみてください。
【参考資料】
リチャード ノートン「隕石コレクター」
マテュー・グネル「隕石 迷信と驚嘆から宇宙化学へ」
結城モイラ「パワーストーンの教科書」